
慢性上咽頭炎には「のどがイガイガする」や「のどの奥が詰まった感じがする」などの症状がありますが、
症状の原因は鼻の奥、のどの奥上の上咽頭にあることが多い病気です。
耳鼻咽喉科医でも慢性上咽頭炎に気づかないパターンもあり、
のどの違和感で耳鼻咽喉科や内科を受診しても、「異常なし」と診断されることもあります。
この慢性上咽頭炎が、自律神経にも影響している可能性があります。
慢性上咽頭炎から自律神経機能障害
慢性上咽頭炎によって、頭蓋底部/上咽頭の炎症が中枢神経系リンパ排液路に停滞をもたらし、
頭痛・うつ・不眠といった症状が出てくる可能性もあると言われています。
また、上咽頭には舌咽神経、迷走神経、自律神経終末が高密度に集まっていることもわかっており、
その領域の慢性炎症が、自律神経に機能異常をもたらす可能性も指摘されています。
つまり、舌咽・迷走神経や交感神経終末が集まっている咽頭・口腔が、炎症による持続的な刺激を受けることで、
それらの神経が刺激を受け、迷走神経や交感神経の機能異常がもたらされる可能性があるということです。
また、迷走神経機能異常や交感神経機能異常の情報が脳幹部に伝わって、
脳幹部における自律神経核間の連絡によって伝播されると、
自律神経過剰刺激症候群として病的自律神経反射を誘発する可能性も示されています。
その他にも、慢性疲労症候群や内分泌機能異常などのさまざまな疾患の要因になり得るとも示唆されています。
以下は記事の引用です。
近年、急速に発展を遂げた神経回路の機能解析は、慢性上咽頭炎と自律神経機能障害との関連を説明しうる。
迷走神経咽頭枝に端を発する上咽頭の知覚情報は、僅か数cm背側に位置する延髄孤束核に速やかに到達するが、孤束核にはハブ機能があり、脳幹部に存在する神経核間の連絡を経て、神経伝達・神経損傷抑制・再生・血流調節・疼痛制御・記憶・血管トーヌスによる脳血流調節、炎症抑制など多彩な機能に関与している。
すなわち、迷走神経は視床・視床下部・下垂体・大脳皮質の機能全てに影響を及ぼしている。
慢性上咽頭炎のように咽頭・口腔において病的な強い刺激、あるいは弱くとも持続的な刺激が加わると、組織に高密度に集積している舌咽・迷走神経や交感神経終末が侵襲を受け、あるいは過剰刺激されて迷走神経機能異常や交感神経機能異常がもたらされ、また、この情報が脳幹部に伝えられ、脳幹部における自律神経核間の連絡によって、更に広範囲に情報が伝播され、自律神経過剰刺激症候群として病的自律神経反射を誘発するのみならず、視床から大脳皮質にまで至る広い領域の脳神経機能にまで悪影響が及ぶ可能性を示していたのである。
全文は以下よりお読み頂けます。
