
高輝度光治療にはさまざまな心理学的効果があるとされ、外耳道を介して脳を標的とした経頭蓋光治療はアスリートの精神運動速度を向上させ、アスリートに必要な認知能力や反応能力にいい影響を与える可能性があります。
スポーツにおける精神運動パフォーマンスは、素早い意思決定と実行能力が重要です。特にプロスポーツでは、過密な競技スケジュールが大きなストレスとなり、過負荷トレーニングの初期段階で認知パフォーマンスが低下することがあります。この状態は通常数日から数週間続くことがあり、競技による生理的・心理的ストレスや季節的な変化が影響する可能性もあります。
高輝度光療法の実験
オウル大学のMikko P. Tulppo氏らはフィンランドのナショナルアイスホッケーリーグチーム(オウルン・ケルペート、範囲17~33歳)に対して以下の実験を行いました。
フィンランドのナショナルアイスホッケーリーグチームに、24日間の経頭蓋高輝度光療法または模擬療法の前後に、音声および視覚による警告信号を用いた精神運動速度テストを実施しました。治療は、オウル地域(北緯65度)の季節的な暗闇の間に実施され、選手の負担も非常に高かった(24日間で10試合)。毎日12分間の高輝度光療法または模擬療法(どちらもn =11)が、毎朝8時から12時の間に自宅で経頭蓋高輝度光装置を用いて実施されました。平均反応時間と運動時間は、両方の精神運動テストについて個別に分析されました。年齢調整済みの反復測定の分散分析を実施しました。
上記実験の結果から新たな発見として、毎日の経頭蓋高光療法が、選手たちの視覚的な警告信号による運動時間を改善していたということです。一方で、音声警告テストや記憶テストでは有意な変化は見られませんでした。この結果は、これ以前に行われたモントリオール大学の高輝度光研究と同様の結果となっており、高輝度光治療がアスリートの視覚的な警告信号に対する運動時間の改善に効果がある可能性が極めて高いことを示しています。
また、これらの光照射のメカニズムは迷走神経刺激にも転用ができる可能性があり、イヤホン型の近赤外線照射デバイスで手軽にアスリートのパフォーマンスを向上できるようになれば非常に大きな影響を与えることも夢ではありません。
全文は以下よりお読み頂けます。
https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2014.00184/full
