○てんかんと閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA)
てんかんと閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、共存して互いに悪化させることが知られている2つの疾患です。
てんかんには、体内にデバイスを埋め込んで電気インパルスで迷走神経を刺激するVNSという治療法があります。
VNSは部分てんかんの補助治療に使用される方法であり、安全性と忍容性が高く、副作用はほとんどないとされています。
しかし、治療を始めた数週間のうち、及びVNS電流の増加後などには、声のかすれ、喉頭刺激、咳などの副作用が起こることもあります。
これらの副作用は、一般的には次第におさまっていくものです。
○VNSの閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA)の影響
しかし、VNS療法が睡眠中の呼吸にも影響を与え、元々あった閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)や低呼吸症候群(OSAHS)を悪化させるケースも示されています。
無呼吸および低呼吸はVNSの非活性化時よりも活性化時に頻繁に発生することがわかっています。
さらにVNSは、睡眠時無呼吸症候群の潜在患者に対して効果的なCPAP(持続的陽圧呼吸療法)滴定を妨げる場合もあります。
てんかん患者のVNSオン/オフサイクリングモードでは適切なCPAP滴定は達成されず、VNSデバイスをオフにして再検査したところ、効果的に治療できました。
VNSは薬物療法が困難なてんかん患者に対しては効果的で、ほとんどの患者でVNS療法でてんかん発作頻度が 50% 以上減少します。
しかしてんかん療法として効果的である一方、OSA患者においては睡眠中の無呼吸症候群を悪化させ、OSAの治療であるCPAP滴々を妨げる可能性があります。
なのでVNS治療を受ける前には、OSAについて検査して、適切な治療計画を立てることが重要です。
以下は難治てんかん患者におけるOSAのCPAP滴定に対するVNSの効果を調べる目的の研究レポートの引用です。
迷走神経刺激(VNS)は、薬物療法が困難な部分発作性疾患の患者に対する効果的な非薬物療法です。ほとんどの患者で発作頻度が 50% 以上減少します。 VNSの睡眠への影響は、VNS デバイスを埋め込んだ閉塞性睡眠時無呼吸/低呼吸症候群(OSAHS)の患者が睡眠ポリグラフ検査を受けたときに確認されました。
この症例研究の目的は、医学的に治療困難なてんかん患者における OSA の CPAP 滴定に対する VNS サイクリングの効果を調べることでした。患者の標準的な VNS オン/オフ サイクリング モードでは、適切な CPAP 滴定が達成できないことがわかりました。しかし、VNS デバイスをオフにして患者を再検査したところ、13 cm H 2 O の鼻 CPAP 圧で重度の OSAHS を効果的に治療できました。OSA 患者を特定するために、VNS 植え込み前にポリソムノグラフィーを検討することをお勧めします。
したがって、VNS デバイス設定の調整は、それが睡眠関連無呼吸イベントの原因であることが確実な場合にのみ行う必要があります。そうでない場合、発作の制御が危険にさらされる可能性があります。患者の発作を制御し、既存の OSAHS を悪化させないように最適な VNS 設定を達成するには、てんかん専門医と睡眠医師の緊密な連携が必要です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2576315/
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