
新型コロナの後遺症に悩まされている人は今現在も数多くいます。2022年の時点で6500万人を超えており、また1年以上経っても症状が回復しない人が3人に1人の割合で存在しているとされています。後遺症の診断は難しく原因もはっきりとしていなかったため、多くの人が苦しめられることとなります。
新型コロナウイルス感染症の後遺症の症状は、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などが非常に多岐に渡ります。
これまで後遺症が残る、さらに長期間続くことに対する、はっきりとした原因かは解明されてきませんでした。しかし、スペインのとある研究で迷走神経との関連がある 可能性が示唆されています。
新型コロナウイルス後遺症の原因
スペインのジャーマンズ・トリアス・イ・プホル大学病院の感染症の専門医らが後遺症がある300人以上を対象に行った研究の結果によると、迷走神経の損傷に関連がある症状を持つ人が3分の2以上にもなりました。
また、後遺症がある人には、新型コロナに感染していない、もしくは症状が完全に回復した人に比べ、咳・発声障害・嚥下障害・頻脈・消化障害・めまい・認知障害などの症状があることがわかった。
超音波画像の分析によって、迷走神経についても詳しく調べたところ、後遺症がある人の20%には、首から胸部に伸びる迷走神経の全体に、著しい肥厚(腫れて厚くなること)が見られたという。
研究者はこの肥厚について以下のように語っています。
神経の肥厚は多くの場合、炎症に起因するものだ。研究者らは、迷走神経にこうした構造的な変化が起きていることの要因には、ウイルス感染という直接的なものと、免疫の活性化という間接的なものがあると推測している。
また、感染していない人、急性感染症から完全に回復した人と比べると、後遺症がある人はより多く(47%)に、横隔膜の平坦化が見られた。肺の下にあり、収縮によって呼吸をコントロールするこの筋肉の平坦化は、胸腔内の大幅な圧力の低下と関連していることが多く、息切れやめまいなどの症状の原因になっていると考えられる。
また、肺自体には直接的な損傷がなく、正常な状態であったことから、後遺症の呼吸器症状は肺の損傷によるものではないことがわかります。
つまり、迷走神経が損傷を受けたことによって横隔膜への信号伝達が阻害され、そのため横隔膜の収縮と拡張が十分に行われなくなっている可能性があると考えられる。
多くの臓器は、迷走神経に依存している。そのためこの神経が受ける損傷は、体内のその他の重要なシステムに影響を及ぼし得る。この研究結果が示唆するのは、後遺症の治療において標的とすべきものは、迷走神経だということになる。
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https://forbesjapan.com/articles/detail/64717
