
記憶障害、認知障害に関連する疾患は、人口の高齢化により重要性が高まっています。
LMアランは、一般的な認知症(アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病性認知症)には自律神経機能に障害があることを示しました。
https://jnnp.bmj.com/content/78/7/671
すなわち、交感神経と副交感神経のバランスの変化は、実行機能や学習、記憶課題における認知障害に影響を与えていると考えられています。
経皮的耳介迷走神経刺激の認知機能の改善効果
いくつかの研究で、アルツハイマー病やうつ病患者における侵襲的な迷走神経刺激(iVNS)は有望な効果が示しています。
同様に、非侵襲の経皮的迷走神経刺激(tVNS)もiVNSと同じ効果があり、副作用が少なく忍容性が高いことが示唆されていました。
しかし、短期tVNSは認知能力、実行機能の改善に対する効果があることがわかりましたが、
長期的に刺激を与えた場合どのような効果があるかは、十分に研究されていませんでした。
そこで、非臨床成人18~75歳を対象に、非侵襲的な経皮的耳介迷走神経刺激(taVNS)を2週間行い、言語記憶に及ぼす影響を調査しました。
実験は、早期グループの有効taVNS/模擬 taVNS ・後期グループの有効taVNS/模擬 taVNS の 4 つのグループに分けて行いました。
結果は、有効なtaVNSを受けた参加者は、即時想起と短期記憶スコアの改善が見られ、模擬taVNSを受けた参加者では改善が見られませんでした。
さらに、早期グループで有効taVNSを受けた後に見られた改善は、その後の追跡期間も持続しました。
これは、taVNSは記憶能力、特に即時想起と短期記憶スコア向上の効果があることを示唆しており、
記憶能力低下の予防、認知障害の軽減に効果的な方法である可能性があることを示唆しています。
以下、引用となります。
2 週間のアクティブ taVNS は、即時想起と短期記憶スコアを改善する可能性があることを示しました。
さらに、これらの効果は、その後の追跡調査でも即時想起と短期記憶スコアの改善が維持されていることからわかるように、持続する可能性が高いと考えられます。
遅延想起には変化が見られませんでしたが、これは天井効果によるものと考えられます。
結論として、taVNS などの非侵襲性迷走神経刺激の利点と応用は、臨床集団の治療にとどまらず、認知障害と認知症の世界的な負担を防ぐために集団レベルにまで拡大できる可能性があります。
私たちの研究結果は、記憶喪失の予防と認知老化の緩和における健康な迷走神経緊張の重要性も浮き彫りにしています。
以下から全文お読みいただけます。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10286-024-01053-0
